昨日のブログ「~商品物語~ メリーズ アフリカンイヤリング その4「品質アップ!」の中で、
品質の向上には「密で地道なコミュニケーションの繰り返し」が大事だということ、
メリーズメンバー間で育まれた信頼関係の下、教えあったり協力しあう関係ができていて、
そのことが品質向上にもつながっている、というお話をさせていただきました。

そんな記事をアップしたまさに昨日、この話に関連した新たな学びがあったので、
みなさんと共有させていただきます。

CEHPメンバーは、ほぼ毎週火曜日にメリーズを訪れ、新しい商品についての打ち合わせや、
現行商品をより魅力的にするための話し合い、完成した商品の検品などを行っています。

昨日の活動のひとつは、メリーズのロングセラー商品「コーヒー豆ストラップ」の検品でした。
なんとメリーズ、今年度に入って、お店のノベルティーグッズとして「コーヒー豆ストラップ」900個のオーダーを受け、この数週間、せっせとストラップを作り上げているのです!
なので、CEHPメンバーの私達も、メリーズを訪れてはせっせと検品作業をしています。
豆ストラップ製作豆ストラップ製作アップ
昨日も、ストラップの検品をしていましたが、一人のメンバーのストラップのほとんどが、
商品として出すには問題があり、作り直しとしてはじき出されてしまいました。
実は彼女、これまでもなかなか品質が安定せず、検品で返されてはやり直しをする、ということを繰り返していました。

CEHPメンバーから彼女に「どこがどう駄目か」もフィードバックし、彼女もそれを分かっているのですが、なかなか改善されません。
しかも大量オーダーで作業量が増えたためか、不良率は大幅にアップしてしまっていました。

この場合の問題点というのは、複雑な技術などではなく、少し気を付ければ解決できることがほとんど。
他の上手に出来るメンバーも、何度も熱心に彼女に教えていたのですが、
そのアドバイスを聞き入れず、自己流でやってしまう彼女に疲れて果ててしまっていました。
決して彼女に悪意がある訳ではないのですが、陽気でせっかちでちょっとおどけてしまう彼女は
なかなか真剣に取り組めなかったのです。

私自身も、彼女のモチベーションを下げないようにしつつ、かつ品質をアップさせるのに、少し行き詰まりを感じていました。
彼女の作る商品の品質の如何が、メリーズの中での火種になりつつあり、CEHPの中でも少し懸念事項になっていました。

そんな状況の中での、大量の不良品の発生。
机の上の山となった不良品を見ながら、他のメンバーからはため息が漏れます。
「何度も説明しているのに…。彼女もちゃんと聞き入れてくれればできることなのに…。」
メリーズメンバーだけでなく、私も困り果ててしまいました。

とその時、CEHPコーディネーターのくるみさんからメリーズメンバーに「みんなで彼女の不良品を分析しましょう」との提案が。
このような場合、ひとつひとつに対して説明をしても、彼女の耳には残らない。
そして、感情的な説明になると、メンバー間の関係性も壊れてしまう。
分析をして「理論」で説得しましょう、との説明が私達CEHPメンバーには加えられました。

そこで、メリーズメンバー達自らの手で、彼女の不良品を主な原因ごとに仕分けてもらいました。
不良豆ストラップ仕分け
そして、不良原因が「豆の選び方」に次いでほとんどが「仕上げの仕方と糊の量」だということが浮き彫りになりました。

“飴と鞭”のように「これは駄目、やり直し!」と厳しく突き返すアプローチとも違い、
「この仕上げが上手じゃないよ。(上手に出来ている彼女の他の商品を見せて)ほら、こっちはこんな風にできるじゃない。他もこんな風にやってみようよ。」と地道にコミュニケーションを取るアプローチとも違い、
事実を数値化、客観的に問題点を明らかにし、理論で説得する方法です。

こうすることで、問題点にのみ焦点が当たられ、
上手く出来ない人、失敗を繰り返してしまう人にとって認識しやすく、何をすれば良いかが明確なります。
同時に「ここを改善することで、大量の不良品を出さなくて済む」という意識付けにもなります。
作り手さんの手元で起こっていることを、現場レベルの情報として皆で共有し、
特定のメンバーの誰かが指摘するという訳でもないので、メンバー間の軋轢も発生しません。
これは日本の製造業が業務効率の向上や作業安全性の確保、品質不具合防止など
ものづくりの現場で養ってきた「カイゼン」のアプローチでもあります。

なにか大事なことを伝えるのに、様々なアプローチがあるとは思いますが、
今回の彼女の場合は、このようなアプローチがとても有効だったようです。
少ししょんぼりとしながらも、素直な性格の彼女は「今日分かったことに気をつけて次はがんばる」と
早速「この豆はきれい。この豆は使ってはいけない。」と豆の選別を私達に確認するように始めました。
不良品を解体
不良品を解体してやり直しの準備をするメンバー。一部の材料はもう使えなくなってしまいます。

机を並べて活動をしていると、相手の性格がよく分かってきて、
ついつい感情が入ってしまったり、その場のコミュニケーションで解決を図ろうとしたりしてしまいがちですが
グループの運営、特に第三者、外部者として関わる者は、
客観的な手段で対応することも大事だ、と改めて気づかされた出来事でした。

さて、来週の彼女のコーヒーストラップ、どれぐらい改善されているのか楽しみです。